SeekEN's ArchiBlog

中の人は組織設計事務所と不動産デベロッパー。建築や不動産の面白さを伝えたい!最近の建築のトレンドから勉強のヒントになるような専門的な情報まで

BIMやCADって結局何を使えばいいの?設計事務所の現状について 〜前半:ちょっと専門的な実務の話〜

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https://www.autodesk.co.jp/solutions/bimcim

こんにちは。組織設計事務所で意匠設計をしているKyoheiです。

今回は学生が使うべき建築ソフトの話をしていこうと思います。

みなさんは普段の設計で何を使っていますか?

実は使っているソフトって、学生の間での情報交換になり、大学や学年よっても流行などで使うソフトに差が出たりします。

みなさんが仕事でも建築設計を続けて行きたいと考えた時、せっかくであれば将来も役に立ち、実際に現場で使われている技術を身につけた方がいいですよね。

もちろん将来設計になんか進むもんか!と思っている人にも(笑)、そういう人にこそ、楽に設計ができる方法でもあるので、そういう方は後半から読んでください。

 

 

1.今の実務でのトレンド

 

今の組織設計事務所・ゼネコンでは、基本的にArchiCADかRevitの2択です。

補助的に2DCADを使うこともありますが、BIMでの作業が年々圧倒的に増えていっています。

理由は大きく2つあります。

1つは国が全面的にBIM化を進めているという背景があるんですね。

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http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/kenchikuBIMsuishinkaigi.html

こちらは国交相ガイドラインの一部ですが、企画段階から維持管理までをBIMデータで行うよう促し始めているのです。

今後、公共案件は基本設計までをBIMで提出するような契約も増えてくることが考えられます。

 

2つ目は働き方改革による作業効率の向上です。

BIMにより設計をすることで構造や環境との連携、積算見積もり、CGでのプレゼンテーションなど、様々なことが同時並行で可能になります。今までCADやエクセルでカチカチやっていた作業が全て自動化され、3DプリンターVRでのプレゼンテーションにより模型作成が不要になります。

業務時間を減らさなければいけないご時世、同じやり方で今までと同じ以上のものを作らなければいけなくなると考えると、やり方を変えるしかないですよね。

 

ちなみに、Rhinocerosについてですが、ライノをメインにして設計し続けるというのはあまりないように思います。

ライノは、例えば構造の最適化や、ファサードパラメトリックデザインデザインなど、部分的な検討の際に使われることが多い印象です。

基本的にライノは建築のソフトではないということを理解しながら、できることを見極めていくのがいいと思います。

 

2DCADについては、AutoCADが主流です。vectorworksやJWCADなどはほとんど使われていません。2D CADに挑戦するならAutoCADを選択しましょう。

 

2.ArchiCADとRevit、どちらを選べばいい?

 

結論から言うと、今はどちらでもいいです。

これに迷う方は多いですかね。迷うのも当然です。なぜなら、実務でもどっちが主流というのがないからです。

設計事務所でも、ゼネコンでも、ほぼ半々の印象です。どちらにもメリットデメリットがあり、1つの企業の中でも、例えば日建設計ではArchiCADとRevitの両方で事業を展開しています。

もし、就職したい会社が強く決まっているなら、その会社の使っているソフトを先輩に聞き、選択するという方法もありますが、入社してからしっかり研修がありますし、そのどちらかを選択するかで就活の有利不利は発生しないので個人的にそういう考え方はしなくてもいいのかなとは思っています。

BIMリテラシーを持っていれば、どちらを使うにしても基本的な考え方がわかるので、まずはどちらかを使い始めることが大事なんだという意識でいましょう。(僕も学生の頃ArchiCADで、入社後Revitを使用してますが問題なく使用できています。)

 

 以上、今回はBIMについて、実務を見据えたお話をしていきました。

習得ソフトを迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

 

 Kyohei