「稼ぐ共用部」管理費をマンション自身が稼ぐ時代がすぐそこまで来てる
こんにちは。デベロッパーの商品企画をしているnao. です。
今回は今話題のマンション業界のトレンドについて書きたいと思います。
目次
高額な管理費
建物は一度建てたらそれでおしまいではありません。
建物のランニングコストは建設費と同じ〜2倍もかかるとも言われています。
例えば、分譲マンションを買うと毎月のローンの支払に加えて、マンションの管理費や修繕積立金、駐車場使用料(機械式駐車場のメンテナンス費など)がのしかかってきます。!
ちなみに国土交通省のマンション総合調査平成25年度版では全国平均で管理費が月10,661円、修繕積立金が月10,783円とされています。
また実際には都内のタワーマンションなどでは修繕費用が比較的高額となるため、毎月2−5万円ほど払っている方が多いのではないでしょうか。
使われない共用部
一方で、分譲マンションには集会室やブックラウンジといった共用部がついていることが多く、マンション住民専用の空間として魅力の一つに挙げられます。
しかしこうした空間は組合の集会や月1回のマンションイベントなどで使われることはあるものの、それ以外の日中の時間帯は閑散としていてあまり使われていないことが多いのが現実です。。
地域との関わりのなさ
加えて、マンション住民は地域住民との接点が少ないというのも挙げられます。
分譲マンションなどでは数百戸の住戸が一度に売りに出るため、数百〜数千人の住民が急激に街にやってきます。
またマンションはセキュリティが強固であることも売りの一つですが、外部の人は一般的に内部に入ることができません。
もともと地域にいた住民からしてみれば、急に大勢の人がやってきて、中はまるで見えない、そんな異質の空間に見えていることでしょう。
地域活動にお金をかけられないデベロッパー
デベロッパー(マンション事業者)としても地域への印象があまり良くないことははわかっているものの、コミュニティの醸成にはイベントの実施など、継続的な取り組みが必要になります。
しかし利益の上がらない活動を続けていけるほどの余裕も、メリットもなく、万が一イベントでなにか問題があれば、会社の評判に影響してしまうため、手を付けたくないというのが実情です。(分かっているんですが、なかなかできないのです。。。)
稼ぐ共用部
それなら、その使われていない共用部を外部に貸し出してしまおう!というのがこのアイディアです。
東京建物というデベロッパーと、スペースマーケットというシェアスペース運営企業が共同で、分譲マンション内に居住者以外の地域住民や来街者の交流スペースを設け、
さらにこのスペースを地域住民向けに貸し出すことで、マンション管理組合の収益面にも寄与する、という取り組みです。
また実務的な話になりますが、マンション管理組合は建物の管理運営のための組織のため、収益を上げることが法的に難しい組織です。今回のケースでは管理組合を法人化することでそのハードルを乗り越えているようです。
結果として、
①マンション住民は管理費が安くなったり、地域のことをよく知れる。
②地域住民はマンションのシェアラウンジを利用できたり、住民との接点が持てる。
③マンションデベロッパーや管理会社は建物管理や住民間のコミュニティ維持が容易になる
…など、3者にとってメリットのある事業になっているのではないでしょうか。
では、その空間はどうあるべきか?
実はここからが本題。
この事例はマンションの共用部を活用する取り組みですが、空間的には一般的なラウンジの形状のようです。
しかし共用部の使い方が変われば、その空間のあり方もきっと変わるのではないか?という疑問に至ります。
例えば、マンション住民が地元のおじさんに酒を振る舞う居酒屋のような空間かもしれないし、地域のおばあちゃんがマンションに住むお母さんの代わりに子供の面倒を見てくれる第二の実家のような空間になっているかも…!?
なんて。
(参考)プレス発表されている内容はこちら↓
【スペースマーケット】「Brillia上野Garden」に居住者以外も利用可能なシェアラウンジがOPEN
〜スペースシェアリングによりマンション共用部の有効活用を促進〜
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000134.000015560.html
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nao.